最高裁判所第三小法廷 昭和58(あ)140 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、弁護人鈴木
圭一郎の上告趣意は、事実誤認、量刑不当、再審事由の主張であつて、いずれも刑
訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
なお、所論(弁護人濱田広道、同萱沼昇の弁論における陳述等も含む。)にかん
がみ、記録を調べても、第一審判決の認定事実は優にこれを認めることができ、同
判決を維持した原判決に事実の誤認はなく、また、刑訴法四一一条各号を適用すべ
きものとは認められない(本件は、手向かう術のない婦女二名を機会を異にして殺
害した事案であり、各犯行とも、その態様は冷酷無情かつ残忍であり、動機に酌む
べき点がなく、結果は極めて重大で、被害者の遺族に与えた打撃も深刻であること
などの本件各犯罪の罪質及び情状に照らすと、殺害自体が必ずしも計画的とはいえ
ないことや、第一審判決判示第一のA殺害事件が捜査機関に発覚するに至つた経緯
を考慮しても、なお被告人の罪責はまことに重大であり、原判決の維持した第一審
判決の死刑の科刑はやむをえないものとして、当裁判所もこれを是認せざるをえな
い。)。
よつて、刑訴法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致
の意見で、主文のとおり判決する。
検察官日野正晴 公判出席
平成元年六月一三日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 坂 上 壽 夫
裁判官 伊 藤 正 己
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裁判官 安 岡 滿 彦
裁判官 貞 家 克 己
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